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おすすめ健厚情報子宮がん検診を受けましょう

2022年11月29日

子宮がんとは

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子宮がんは、子宮に発生する悪性腫瘍ですが、それには2つの種類があります。 子宮の入り口の部分、子宮頸部にできる子宮頸がんと、子宮の奥の部分、子宮体部にできる子宮体がんです。

子宮頸がんの発症は20代から目立ち始め、30代後半から40代前半という若い年代にピークを迎えます。一方、子宮体がんでは、50-60才を明確なピークとしており、閉経期前後から閉経期以降の疾患と考えられています。

今回は当センターで行っている子宮頸がん検診について述べていきます。

子宮頸がんの原因

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子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(以下HPV)の感染が原因であることがわかっています。このウイルスは性的接触により子宮頸部に感染します。

HPVは男性にも女性にも感染するありふれたウイルスであり、性交経験のある女性の過半数は、一生に一度は感染機会があるといわれています。しかしHPVに感染しても、90%の人は自己免疫力でウイルスが自然に排除されますが、10%の人はHPV感染が長期間持続します。この自然排除しなかった一部の人の細胞が、数年をかけて子宮頸がんに進行します。

近年では性交渉の低年齢化により、HPVの感染が若年層で増加傾向にあり、子宮頸がんの若年化も進んでいます。国内では、毎年約1万人の女性が子宮頸がんにかかり、約3000人が死亡しています。また2000年以後、患者数も死亡率も増加しています。

子宮頸がんの症状

子宮頸がんは、正常な状態からすぐがんになるのではなく、異形成といわれるがんになる前の状態を何年か経てがんになります。異形成の時期では症状がなく、おりものや出血、痛みもありません。

子宮頸がんが進行すると、月経以外の出血や性交時の出血、おりものの変化(茶褐色、膿様)等がみられることがあります。さらに進むと下腹部や腰が痛んだり、尿や便に血が混じったりすることもあります。

少しでも気になる症状があるときは、ためらわずに早めに婦人科を受診しましょう。

子宮頸がん検診

子宮頸がん検診では、子宮の入り口にポリープやびらん、出血などがないか、医師による「視診」を行います。次に子宮の入り口を、柔らかいブラシで軽くなでるようにして細胞をとり、がん細胞や前がん病変の細胞を見つける「細胞診検査」を行います。このとき、少し出血することがありますが、痛みはほとんどありません。

子宮がんQ&A

Q1 月経中でも受けることは可能ですか?

正しい検査結果を得るためにも月経中は避けた方が良いでしょう。
月経の終わりかけで少量の出血程度であれば問題ないとされています。

Q2 HPVワクチン接種しているので検診を受ける必要はないですか?

ワクチンは全ての高リスク型のHPV感染を予防できるわけではないため、早期発見・早期治療のために子宮頸がん検診も定期的に受診し、予防効果を高めることが大切です。

Q3 過去に子宮を摘出しているのですが、子宮頸がん検診を受ける必要はないですか?

子宮の手術は、病気の部位や進行度によりさまざまな手術方法が選択されます。

子宮全摘(全て取った)の場合は、子宮頸がん検診の必要はありません。
子宮頸部を残す手術をした場合は、残存子宮頸部からがんが発生する可能性があり、検診の対象になります。

手術後に検診を受けるかどうかは、医師と相談してください。

人間ドックで子宮がん検診をすると超音波もしていますが、それは何を見ているのですか?

細い超音波器具(プローブ)を膣内に挿入し、はね返ってくる超音波を見ながら子宮の状態を観察します。経膣エコー検査は、子宮だけでなく卵巣の変化や卵巣のう腫・卵巣腫瘍・子宮筋腫・子宮内膜症などを詳細に調べることができます。

子宮体がん検診はしなくていいの?

子宮がんには頸がんの他に子宮体がんがあります。当センターや自治体での検診では子宮体がん検診は行っていないため、次の項目で当てはまる症状がある場合は、お近くの婦人科を受診し、子宮体がん検診を受けることをお勧めします。

  • 月経以外の出血や性交後の出血がある
  • 閉経後なのに出血している
  • 月経終わりにダラダラと少量の出血が続く
  • 茶色やピンクのおりものがみられる
  • 性交時の痛みや下腹部の痛み、またはお腹が張った感じがする
  • 経膣超音波で月経後や閉経後であるのにかかわらず子宮内膜が厚いと言われた